住まいの顔となる玄関はディティールにもこだわりを取り入れる
玄関は人と人との出会いの場であり挨拶の場であり、訪れる人の第一印象が決まる場所でもあります。
そのため昔から玄関のしつらえやデザインには強い関心が持たれています。
だからといって玄関だけ特別豪華に演出するのもどうでしょうか。。。
やはり外観・内観のイメージと調和したものにすることが良い玄関になる条件だと思います。
また、玄関は絵画や小物、雑貨などを飾るなど住まい手のセンスや感性を表現する場としても最適です。
センスのいい飾り方をしたり、小物をすっきりと配置するだけでグッとお洒落な玄関に仕上がります。
お洒落な玄関に仕上げるための要素を1つずつ見ていきましょう。
玄関の建具
最近の建売り住宅やハウスメーカーではアルミ製の建具が多く使われている傾向があります。
確かに機能面で見ればアルミ製の建具がベストだと思います。
しかし、時が経つにつれ、経年変化とともに風合いを増してくる木製ドアのほうが温かみがあり、味わい深い玄関になります。
木製建具の良さは外観や庭との相性もよいのでお勧めです。
この写真の建具は無垢材を使用しておりますので重厚感があって塗装の自然な色ムラが味になっています。
また、四角形ではなく上部をアール加工したり自由度が高いことも大きなメリットです。
土間
土間は唯一、住まいの中で土足で入る場所です。
土などで汚れやすい場所ですので、掃除がしやすく出来るだけ汚れが目立たないものを選ぶことがポイントです。
一般的にはタイルがよく使われますが、タイルといってもサイズや貼り方、目地の取り方で大きく印象を変えることができるのです。
他には御影石や鉄平石、大理石、無添加住宅なら玄昌石などの天然石をあしらう場合もあります。
主に高級感を出したい場合に使われる素材です。
こちらもタイル状にして使われることが多いですが、割って乱張りにしてみてもユニークで面白いかもしれません。
壁面収納
玄関は様々なものを収納しておく場所でもあるため、現代の住宅では必ずといっていいほどこの壁面収納を造り付けています。
壁面収納は機能性から考えるのはもちろんですが、それだけで終わってしまうと野暮ったいものになってしまうこともあります。
やはり住まい手の個性を演出できる飾り棚やスペースを設け、足元には間接照明を仕込んだり、スリット窓を設け、それに合わせて設計するなど工夫1つで個性的な玄関になります。
吹抜け
玄関に吹抜けのある設計の場合、さらに幅広い玄関作りをすることができます。
トップライトやハイサイド窓を設ければ、太陽の動きによって光と影の美しい造形が生まれます。
また、デザイナーズ照明などをペンダントとしてぶら下げるとそれだけで非常にインパクトのあるアートな空間になります。
なかなかスペース的に玄関を吹抜けにするのは難しいですが、取り入れられた際は玄関を楽しくアートな空間にするようにしましょう。
まとめ
戦後の住宅設計はいかにムダのない合理的な設計にするかを最優先してきました。
どの家も矩形で天井高2400mmの立方体の組み合わせでの構成です。
たしかに住空間の機能性だけを見れば矩形の集合体こそもっとも合理的な選択ではあるのですが、これではホッとする安らぎやゆとりを感じることができない側面もあります。
豊かな暮らしを育む住まいにするには遊び心と機能性の両面を見ていく必要があるのではないでしょうか。
これからの時代はそれが求められると感じています。
その家の顔でもある玄関だからこそ、合理性ばかり追求せず縦方向に立体感を持たせることで個性的でゆとりのある空間にしていくことも考えてみてはいかがでしょうか。